となりの一条三兄弟!
なにもないところから体が現れてくる過程は、間違いなく晶くんと同じ透明人間の力だ。
「ええ!?さ、三人のお父さんですか?」
「そうそう。お隣の佐崎さんにはちゃんと挨拶しなくちゃって思ってたんだ。お母さんかお父さんはいる?きみの名前は?ってか可愛いね!俺と連絡先交換しない?」
「………」
なんだろう。よく分からないけど軽い。
軽いというか……チャラい。
この人が本当に三兄弟のお父さんなの?
全然イメージと違ったというか……ある意味これも衝撃的だ。
そして場所を移動して、現在一条家のリビング。昴さんが注いでくれた麦茶がテーブルに並べられても、まだ不穏な空気は続いていた。
「じゃあ改めて自己紹介するね!俺は一条匠。年齢は見た目だって思ってるからそれで判断してほしいな。きみは佐崎……なにちゃん?」
あまりのインパクトに呆気にとられてしまったけど、そういえば私も自己紹介がまだだった。
「さ、佐崎茉莉です。高校2年生で三人とは……」
「あー!たしか同じ学校だよね!うちの息子たちどう?ちゃんと青春を謳歌してる?」
「えっと……」
「俺も心配だったんだけど仕事柄、家を離れることが多くてね。だからお隣の佐崎さんには挨拶もしないまま今に至っちゃったんだけど、もし良かったらこれ。海外のお土産。チョコレートと魔除けの飾り物」
「………」
「ちょっと顔はガイコツみたいだけど効果抜群!あ、でも魔除けは魔除けでも邪悪なものだけだよ!俺や息子たちには無害だからね!……って、茉莉ちゃん俺たちのこと知ってる?」
弾丸トーク過ぎて会話ができない。