となりの一条三兄弟!


「透明人間になって、こいつの玄関先に侵入したヤツが今さらなに言ってんだよ」

聖が腕を組ながら呆れた顔をしていた。

たしかに私は知ってたから良かったけど、あれがお母さんだったら……。ダメだ。やっぱり失神しちゃう。


「それは三人が一斉に逃げるからじゃーん!ひどいな。久しぶりに帰ってきてハグもないなんて」

しょんぼりしたフリをする一条家のお父さん。


私の頭にあるお父さんの情報は、各地を飛び回る仕事をしていて、三人の吸血鬼、透明人間、狼男の全ての血を持っている人ってこと。

きっと凄い人なんだろうなって想像はしてたけど、想像以上というか……なんていうか。

まだお父さんってことが信じられないくらい若くてテンションも高いけど、よく見れば目元や鼻筋は整っていて三人にそっくりだ。


「イヤだなあ。茉莉ちゃん。そんなに俺を見つめないでよ」

「す、すみません。えっと、お父さまは……」

「そんな他人みたいな言い方じゃなくて匠って呼んで。もしくは、たくみん♪」

「親父、少し黙れ」

聖がギロリと睨むけど、まったく効果はないみたい。


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