となりの一条三兄弟!


とにかくお父さん……いや、匠さんはものすごいキャラクターの人だってことは分かった。

でもなんで三人は逃げてきたんだろう? 

たしかにキャラは濃すぎるけれども、きっとこれは今に始まったことでもないだろうし、兄弟の中では一番お喋りな晶くんでさえ黙ったままだ。


「さて、じゃあ……そろそろ」

匠さんが立ち上がって腕捲りをした。ニヤリとほくそ笑む姿は楽しんでるというか、ワクワクが止まらないって顔をしている。


「三人とも服を脱ぎなさい」

……え?今なんて?


「「「絶対イヤだ」」」

三人の声が綺麗にハモる。それでも匠さんはじわりじわりと近づいて、最初に捕まったのは晶くんだった。


「さあ、晶。早く体を見せなさい」

「イヤだ……っ」

「それなら無理やりするから覚悟しなさい」

「やめ……やめ………」


それからは一瞬だった。

匠さんはぺろっと晶くんのTシャツを脱がせて、両手両足に奇妙な血圧計のようなものを巻く。

そしてモニターのようなものを用意して電極のスイッチをON。

さらに体のあらゆるところにペタペタとシールのようなものを貼って、それは導線で繋がれていた。


「はい、じゃあ血液とるよー」  

さらに軽い感じで注射針を何ヵ所にも刺している。注射が苦手な私としては恐ろしすぎる光景だ。

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