となりの一条三兄弟!
「昴さん、洗い物手伝います!」
食事が終わって各々の時間。私はキッチンにいる昴さんに近寄った。
ちなみに今、晶くんはお風呂に入っていて、匠さんと聖は庭のベンチで休憩している。
「ありがとう。ごめんね。父さんのインパクトが強すぎて色々とビックリしたでしょ?」
「はは。でも明るくていいじゃないですか」
三人の普段とは違う一面も見れた気がするし、私は一人っ子だからこういう賑やかな食卓にはちょっと憧れがある。
「これから匠さんはずっと家にいてくれるんですかね?」
「いや、多分すぐにまたどっか行っちゃうよ。同じ場所に留まれない性格だし、あれでもけっこう忙しいらしいからね」
「そういえば昴さんたちのような力を持った人たちを診察してるんですよね?」
「父さんいわくけっこういるらしいよ。俺は身内以外に見たことがないけどね」
そう考えると、私もご先祖さまを辿ればなにか特殊な血を持った人がいても不思議じゃない気がする。
まあ、私のお母さんもお父さんもおばあちゃんもおじいちゃんも平凡そのものだから、絶対にないと思うけど。
「茉莉ちゃん。庭にいるふたりのコップも持ってきてくれる?」
「はーい」
私は拭き終わった食器を戸棚に閉まったあと、匠さんと聖の元へ向かった。