となりの一条三兄弟!
「まりりん、どうしたの?」
晶くんが隣で心配そうな顔をしている。
「う、ううん。なんでもないよ」
「そう?あ、またみんなで昔のアルバム見ない?まだまだ面白い写真いっぱいあるんだよ!あれ、昴兄さん!あの写真どこにあるんだっけ?」
「あーアレか。たぶん俺の部屋のクローゼットの中かな。今取ってくる……」
「わ、私が行きます!」
聖のことを考えすぎてじってしていられない。それに暗い顔だけはみんなに気づかれたくないから。
昴さんが2階の突き当たりだと教えてくれたので、私はひとりで階段を上がった。
薄暗くて足元がよく見えないけど、うちの家と同じ構造だから大丈夫。
ガチャと部屋のドアノブを回すと、ふわりと風が吹き抜けた。白いカーテンがゆらゆらと揺れている。
……そういえば男の子の部屋に入ったのは初めてかも。
部屋はとても整理整頓されていた。ベッドと机と本棚だけという無駄なものが一切置かれていない空間。
……私の部屋とは真逆だな。
脱ぎっぱなしにしてる服もない。さすがは昴さんの部屋という感じだ。
なんだかいい匂いもするし、この香りはどっかで嗅いだことがある気がするけど……どこだっけ?
そんなことを考えながら、私はクローゼットに手を伸ばす。