となりの一条三兄弟!
「あ、そういえば聞き忘れてたけど、最近身の周りでなにか変わったことはない?」
匠さんが思い出したように聞いてきた。
「変わったことですか?とくには……」
「それならいいんだけど、どうも帰ってきてから奇妙な気配がしてね」
そう言って電線に止まっているカラスを見つめる。
「カラスは普段からけっこう多いですよ。学校の周りはとくにいっぱいいますけど」
「ふーん」
なんだかその目つきが鋭くなったのは気のせいだろうか。
カラスは不吉な前兆とも言うし、私もあまり好きではないけど……。
「あのお土産の魔除け。いつか役に立つかもしれないから、ちゃんと茉莉ちゃんの近くに飾っておいてね」
「……え、あ、はい」
ガイコツで見た目が怖いから、どうしようか迷ってたところだけど、匠さんが言うなら部屋にでも飾っておこうかな。
「親父」
と、そこへ。聖を先頭に三兄弟が外に出てきた。
本当にこの三人のオーラは凄いなあ……。
匠さんも全然お父さんに見えないから、並ぶと四兄弟みたいだ。