となりの一条三兄弟!
「父さん。そろそろ行かないと、新幹線に乗り遅れるよ」
「お、そうだな!昴。長男として家のことは任せるよ」
「うん。大丈夫だから」
匠さんがいたのは週末だけだったけど、離れちゃうのはやっぱり寂しいな。賑やかですごく楽しかったから。
そんな気持ちを見透かすように、匠さんが私の肩を引き寄せる。そして……。
「結婚、考えておいてね」
「……!」
そのまま頬っぺたに軽いキスをされてしまった。
「ぎゃー、まりりんが汚れた。ティッシュ、ティッシュ!」
「ま、茉莉ちゃん大丈夫!?」
私よりも晶くんや昴さんが大慌てで、痛いぐらいキスをされた頬っぺたを拭いてくれている。
ビックリしたけど、晶くんや昴さんにも同じようなことをされてるし、やっぱり親子は親子なんだな……。
「さっさと行けよ、クソ親父」
そんな中で、聖は匠さんに足蹴りをしていた。
「親に向かってなにすんの」
匠さんが蹴られたお尻を抑えている。
来た時も騒がしかったけれど、帰る時もさらに騒がしくて、やっぱりみんなでわちゃわちゃしてるのは楽しいなって思う。
「じゃあ、三人ともなにかあったらすぐに連絡してね」
そう言って、匠さんは笑顔で行ってしまった。