となりの一条三兄弟!


「なんか霧島って自分が一番正しいって思ってるから厄介だよね。しかも噂によれば大の女嫌いらしいよ」

「……女嫌い?」

「近づいただけで怒鳴られるらしいしね」

ということは自分が女嫌いだから男女交際はダメだとかスキンシップはするなとか、そんな意味が分からない校則を作ったってこと?

普通に考えてあり得ないんだけど……!

だけど誰も霧島くんに逆らえる人はいないらしく、理不尽な校則が追加されたまま1日が始まってしまった。


「まりりん……まりりん」

2限目の教室移動の廊下で、突然誰かに名前を呼ばれた。


「晶くん、どうしたの?」

科学実験室の扉を少しだけ開けている晶くんが私のことを手招きしている。

周りを見渡しながら「しーー」と注意されあと、半ば強引に実験室へと手を引かれてしまった。

実験室は黒いカーテンが閉められていて、足元が見えないほど真っ暗だった。


「あれ?1年生って実験の授業あったっけ?」

たしか薬品などを使う授業は2年生になってからのはずだ。


「ああ、違う違う。追われてるから隠れてるの」

「追われてる?」

晶くんは少し疲れた顔をしながら、床に座りこんだ。


「生徒会だよ。捕まったら反省文と誓約書を書かされて、ちゃんとした服装に戻るまで自宅謹慎らしいよ」


そういえば校内でチラチラと生徒会役員の人が歩いてるのを見かけた。

きっと、ああやって生徒たちを監視してるんだろう。

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