悪魔と魔女
 名前の由来についてはよくわからないが、ルシアンという名前が光の柱を意味することを彼女は知っている。

 年若く、今年でようやく十八になった少女は、先月の誕生日の際、見事一人前として認められたばかりだ。そのため、ここのところ機嫌がよかったのだが、いかんせん町に住んでいないから仕事は入らず、万が一、奇跡のような確率で仕事が入ってももろもろの事情で受けることができず暇な毎日を送っていた。

 湖側に面する一階のサンサロンにルシアンはいた。こぎれいに掃除された室内は暖かな陽だまりを窓から受けて、時が経つのも忘れそうなほど心と体を癒してくれる。モスグリーンの手触りの良い絨毯の上に、琥珀色の低い机と革張りの長椅子が並んでいる。机の上にはルシアンの手製のハーブ入りクッキーが皿に盛られていた。複雑で色鮮やかな茶器の傍には菜の花の描かれたティーポットが置かれている。
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