踊り手、なりませんか?
「早苗ちゃん!?」

舞は驚き電話に出る。早苗から電話がかかってくるのは久しぶりだ。舞は緊張しながら「もしもし?」と言う。

「舞ちゃん、久しぶり」

聞こえてきた早苗の声に、舞は微笑みながら「うん、久しぶりだね」と言う。荒れていた心が穏やかになった気がした。

二人はしばらく学校で起きたことなどを話す。部屋に笑い声が響く。

「あのね、最近懐かしいなって思って踊ってみた動画を見てみたんだ。私と舞ちゃんのやつ!」

その言葉を聞いて、舞の胸が途端に痛くなる。早苗にとってダンスの映像は辛いものではないのだろうか。心配が大きくなっていく。

「早苗ちゃん、その……」

舞の声が暗くなる。電話の向こうで鼻をすする音が聞こえた。

「二人で色んな曲踊ったよね。楽しかった」

早苗の言葉に舞の目の前もぼやけていく。早苗の言葉は続いた。

「私、もう踊れなくなっちゃったけど、舞ちゃんのダンスが好き。舞ちゃんの彼氏から体育の映像を送ってもらったんだ」
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