エリート御曹司が花嫁にご指名です
彼の手にあったひと房の髪が離され、パサリとむき出しの腕をなぞっていった。
「俺と結婚してくれ」
「……本気で言っているんですか?」
真剣なまなざしは冗談を言っているようには思えないが、交際期間もなく、いきなりプロポーズされるのは信じがたい。
「戯言でプロポーズはしない言わない」
「急にプロポーズされても困ります。私が昨日言ったからなんですね?」
桜宮専務の行動は、どう頭をひねっても、今までの彼には考えられないこと。私が言い放ったセリフに影響を及ぼしてしまったのでは……?
『では、桜宮専務が赤ちゃんを授けてくれますか?』
桜宮専務は口角を上げた。そんな笑い方ひとつに、私は心臓を高鳴らせてしまう。
「昨夕の汐里の提案は、驚いたが、魅力的だったな」
「私は本気じゃなかったんです。売り言葉に買い言葉的な……あ、きゃっ!」
身体が浮き、先ほどまで座っていたソファに仰向けに寝かされてしまった。そして桜宮専務は私の足の間に膝を入れ、覆いかぶさるような格好で見つめてくる。
「汐里、俺の嫁になれ。他の男には渡さない。汐里がこの先、俺のそばにいないのは嫌だ」
「専……務……」
英知ある黒い瞳に引き込まれ、コクッと頷いてしまいそうだった。そうならないように下唇を噛んで、首を横に振る。
「俺と結婚してくれ」
「……本気で言っているんですか?」
真剣なまなざしは冗談を言っているようには思えないが、交際期間もなく、いきなりプロポーズされるのは信じがたい。
「戯言でプロポーズはしない言わない」
「急にプロポーズされても困ります。私が昨日言ったからなんですね?」
桜宮専務の行動は、どう頭をひねっても、今までの彼には考えられないこと。私が言い放ったセリフに影響を及ぼしてしまったのでは……?
『では、桜宮専務が赤ちゃんを授けてくれますか?』
桜宮専務は口角を上げた。そんな笑い方ひとつに、私は心臓を高鳴らせてしまう。
「昨夕の汐里の提案は、驚いたが、魅力的だったな」
「私は本気じゃなかったんです。売り言葉に買い言葉的な……あ、きゃっ!」
身体が浮き、先ほどまで座っていたソファに仰向けに寝かされてしまった。そして桜宮専務は私の足の間に膝を入れ、覆いかぶさるような格好で見つめてくる。
「汐里、俺の嫁になれ。他の男には渡さない。汐里がこの先、俺のそばにいないのは嫌だ」
「専……務……」
英知ある黒い瞳に引き込まれ、コクッと頷いてしまいそうだった。そうならないように下唇を噛んで、首を横に振る。