エリート御曹司が花嫁にご指名です
「長い間一緒にいたので、そう思うだけです。すぐに別の秘書に慣れるはずです」
「もちろん、妊娠したら秘書はさせられないから、他の者で我慢しよう。君が家にいると思えば、きっと我慢できる」
「今さら、口説くなんて……」
「なんとでも言え。君は子供が欲しい。俺は君を手放したくない。利害が一致するだろう?」
徐々に桜宮専務の顔が落ちてきて、唇があと十センチのところで止まり、甘い低音で囁かれる。
「俺の子供を産んでくれ」
好きな人からのプロポーズ。嬉しくないわけがない。
次の瞬間、唇が重ねられた。私は間近に迫る美麗な顔を見ていられなくて、瞼を閉じた。
今まで恋人がいなかった私のファーストキスだ。心臓が痛いくらいに激しく脈打っている。
キスなんて、映画や小説の世界だけ。経験のない私は、どうしていいのかわからずにギュッと口を閉じ、されるがままでいると、彼の唇が離れた。
ハッとなって目を開けたが、桜宮専務と瞳を合わすことができずに、喉元へ視線を向けた。
「本当に経験なしか」
驚きを含んだ声色だった。
「もちろん、妊娠したら秘書はさせられないから、他の者で我慢しよう。君が家にいると思えば、きっと我慢できる」
「今さら、口説くなんて……」
「なんとでも言え。君は子供が欲しい。俺は君を手放したくない。利害が一致するだろう?」
徐々に桜宮専務の顔が落ちてきて、唇があと十センチのところで止まり、甘い低音で囁かれる。
「俺の子供を産んでくれ」
好きな人からのプロポーズ。嬉しくないわけがない。
次の瞬間、唇が重ねられた。私は間近に迫る美麗な顔を見ていられなくて、瞼を閉じた。
今まで恋人がいなかった私のファーストキスだ。心臓が痛いくらいに激しく脈打っている。
キスなんて、映画や小説の世界だけ。経験のない私は、どうしていいのかわからずにギュッと口を閉じ、されるがままでいると、彼の唇が離れた。
ハッとなって目を開けたが、桜宮専務と瞳を合わすことができずに、喉元へ視線を向けた。
「本当に経験なしか」
驚きを含んだ声色だった。