エリート御曹司が花嫁にご指名です
汐里は水曜日に出社した。俺よりも早くに。
入室すると、汐里は自分のデスクの上のメモを見ており、俺の姿にそれを戻し、やってくる。
「おはようございます。このたびは大変ご迷惑をおかけしました」
汐里は両手を身体の前の前で組んで、深々と直角に近いお辞儀をした。
「大丈夫なのか?」
また顔色が戻っていない気がして、無理をしていないか心配になるが、「はい。問題ありません。すぐにコーヒーをお持ちしてメモを処理します」と、彼女はきっぱり口にした。
「ああ。頼む。ご覧の通り、汐里がいないと仕事がうまく回らない」
彼女は小さく微笑んで専務室を退出した。
散々な昨日を思い出す。南場がよこした秘書は、汐里のようにはできなかった。
確かに、長年俺の秘書を務めている汐里と同じに、というのは傲慢の何物でもないが、彼女は書類の文字ミスも多かった。
ふと気づけば視線を感じ、俺が睨むとサッと目を伏せる。『ちゃんと仕事をしろ』と噛みつきそうになった。
余計に時間がかかって仕方がない。俺はひとりでこなすことにした。
その結果、汐里のデスクに書類やメモが積み重ねられていった。
入室すると、汐里は自分のデスクの上のメモを見ており、俺の姿にそれを戻し、やってくる。
「おはようございます。このたびは大変ご迷惑をおかけしました」
汐里は両手を身体の前の前で組んで、深々と直角に近いお辞儀をした。
「大丈夫なのか?」
また顔色が戻っていない気がして、無理をしていないか心配になるが、「はい。問題ありません。すぐにコーヒーをお持ちしてメモを処理します」と、彼女はきっぱり口にした。
「ああ。頼む。ご覧の通り、汐里がいないと仕事がうまく回らない」
彼女は小さく微笑んで専務室を退出した。
散々な昨日を思い出す。南場がよこした秘書は、汐里のようにはできなかった。
確かに、長年俺の秘書を務めている汐里と同じに、というのは傲慢の何物でもないが、彼女は書類の文字ミスも多かった。
ふと気づけば視線を感じ、俺が睨むとサッと目を伏せる。『ちゃんと仕事をしろ』と噛みつきそうになった。
余計に時間がかかって仕方がない。俺はひとりでこなすことにした。
その結果、汐里のデスクに書類やメモが積み重ねられていった。