エリート御曹司が花嫁にご指名です
和気あいあいとした夕食の後、優成さんは私を庭へ連れ出した。
夏の夜特有の蒸し蒸しとした熱気が身体にまとわりつくが、エアコンの効いた室内から出てくると気持ちがいい。
「親父たち、いつになく上機嫌だったな」
ソーラーライトでライトアップされた庭は、閑静な高級住宅地の静けさで、ふたりきりになった途端に暴れ始める心臓の音が、優成さんに聞こえるのではないかと心配になる。
どっしりとした鋳物のガーデンテーブルの椅子を引かれる。
「座って」
庭を少し歩くものと思っていた私は、困惑気味に椅子に腰を下ろした。
優成さんは「ここで待ってて」と言って、家の中へ入っていく。そして私がぼんやりする暇もなく、戻ってきた。
「汐里、エンゲージリングをはめて」
斜め横の椅子に座り、四角い小さな箱を開けて、エンゲージリングを取り出した。
箱にハイブランドのロゴが入っているのを目にして、エンゲージリングよりもそれに一驚して、目を見開く。
「優成さん……」
「どうした? 左手を出してくれないか?」
彼の左手が私のほうへと差し出される。
夏の夜特有の蒸し蒸しとした熱気が身体にまとわりつくが、エアコンの効いた室内から出てくると気持ちがいい。
「親父たち、いつになく上機嫌だったな」
ソーラーライトでライトアップされた庭は、閑静な高級住宅地の静けさで、ふたりきりになった途端に暴れ始める心臓の音が、優成さんに聞こえるのではないかと心配になる。
どっしりとした鋳物のガーデンテーブルの椅子を引かれる。
「座って」
庭を少し歩くものと思っていた私は、困惑気味に椅子に腰を下ろした。
優成さんは「ここで待ってて」と言って、家の中へ入っていく。そして私がぼんやりする暇もなく、戻ってきた。
「汐里、エンゲージリングをはめて」
斜め横の椅子に座り、四角い小さな箱を開けて、エンゲージリングを取り出した。
箱にハイブランドのロゴが入っているのを目にして、エンゲージリングよりもそれに一驚して、目を見開く。
「優成さん……」
「どうした? 左手を出してくれないか?」
彼の左手が私のほうへと差し出される。