エリート御曹司が花嫁にご指名です
「今、専務と室長が、私の後の秘書を人選中なんです」
「だから、南場さんがいないのね。それで汐里さんは複雑なのね?」
頭の回転が素晴らしい三和子さんは、私の気持ちをザクッと読み取ってしまう。
「……はい。仕方がないことなんですが」
「ずっと専務に仕えていたのだから、寂しい気持ちになるのもわかるわ」
「ありがとうございます。でも、専務の足を引っ張らないような秘書を育てなければならないので、誰がなるにしろ、しっかり務めます」
三和子さんと話をして、気持ちを落ち着かせることができた気がする。
私が今しなくてはならないのは、優成さんをしっかりサポートできるよう、仕事を秘書に教えること。
「一条さん。桜宮専務がお呼びです」
南場秘書室長が秘書室へ戻ってきた。離れたところで声をかけられ、私は三和子さんに「行ってきますね」と言って席を立った。
専務室に戻った私に、優成さんから後任の秘書の名前が知らされた。
「汐里、南場の意見も熟考した結果、宮本さんに決まった」
宮本さんは入社三年目で、如才なく、いずれは専属秘書になると思っていた。
だけど、三和子さんの話では、彼女は優成さんのファン……憧れているのは、私にもありありとわかっていた。
「だから、南場さんがいないのね。それで汐里さんは複雑なのね?」
頭の回転が素晴らしい三和子さんは、私の気持ちをザクッと読み取ってしまう。
「……はい。仕方がないことなんですが」
「ずっと専務に仕えていたのだから、寂しい気持ちになるのもわかるわ」
「ありがとうございます。でも、専務の足を引っ張らないような秘書を育てなければならないので、誰がなるにしろ、しっかり務めます」
三和子さんと話をして、気持ちを落ち着かせることができた気がする。
私が今しなくてはならないのは、優成さんをしっかりサポートできるよう、仕事を秘書に教えること。
「一条さん。桜宮専務がお呼びです」
南場秘書室長が秘書室へ戻ってきた。離れたところで声をかけられ、私は三和子さんに「行ってきますね」と言って席を立った。
専務室に戻った私に、優成さんから後任の秘書の名前が知らされた。
「汐里、南場の意見も熟考した結果、宮本さんに決まった」
宮本さんは入社三年目で、如才なく、いずれは専属秘書になると思っていた。
だけど、三和子さんの話では、彼女は優成さんのファン……憧れているのは、私にもありありとわかっていた。