エリート御曹司が花嫁にご指名です
一抹の不安に襲われ、言葉を失う私に、優成さんは椅子を離れて目の前に立った。
「どうした?」
顎に手がかかり、上を向かされ、私の考えを読み取ろうとする瞳と視線がぶつかった。
「いいえ。宮本さんはサポート役では群を抜いてしっかりしているので、期待に応えてくれると思います」
南場秘書室長もそう思ったから、推薦をしたのだろう。
「よかった。今日は機嫌が悪いと思っていたんだが?」
顎に置かれた手はまだあって、私はプルプルと頭を左右に振った。
「そんなことはないです。では仕事に戻ります」
私が優成さんの手から離れようと後退した刹那、彼のほうにグイッと引き寄せられた。
反対の手が私のウエストに回っている。
「桜宮専務、今は就業中です」
きっぱり口にする私に、優成さんは「クッ、クッ」と笑い、そしてギュッと腕の中に閉じ込めた。
「ちょ、離してくださいっ」
「秘書に徹している汐里はつまらない」
「事実、そうじゃないですか。ここは会社です。仕事を――んっ」
話している途中で、唐突に唇が塞がれた。
「どうした?」
顎に手がかかり、上を向かされ、私の考えを読み取ろうとする瞳と視線がぶつかった。
「いいえ。宮本さんはサポート役では群を抜いてしっかりしているので、期待に応えてくれると思います」
南場秘書室長もそう思ったから、推薦をしたのだろう。
「よかった。今日は機嫌が悪いと思っていたんだが?」
顎に置かれた手はまだあって、私はプルプルと頭を左右に振った。
「そんなことはないです。では仕事に戻ります」
私が優成さんの手から離れようと後退した刹那、彼のほうにグイッと引き寄せられた。
反対の手が私のウエストに回っている。
「桜宮専務、今は就業中です」
きっぱり口にする私に、優成さんは「クッ、クッ」と笑い、そしてギュッと腕の中に閉じ込めた。
「ちょ、離してくださいっ」
「秘書に徹している汐里はつまらない」
「事実、そうじゃないですか。ここは会社です。仕事を――んっ」
話している途中で、唐突に唇が塞がれた。