エリート御曹司が花嫁にご指名です
その日の夜、二十一時過ぎに、スマホが着信音を知らせた。
これからお風呂に入ろうと思っていたときで、ドアから離れてベッドの上に無造作に置いていたスマホを手にした。
スマホの画面に映し出された名前は華さん。その名前に私は急いで通話をタップした。
「もしもし、華さん?」
『ええ。汐里、驚くニュースを今日、お母さんから聞いたわ』
華さんの透明感のある美しい声に、私の顔が緩む。
美女と言うのがピッタリな華さんは、美しい声の持ち主で、第一印象でたいていの人は彼女を大和撫子だと思う。
それは間違いないのだけれど、華さんはサバサバした性格で、言動も見た目と違う。
『おめでとう。兄さんと結婚だなんて、本当にびっくりしたわよ』
「ありがとうございます」
姉と慕う華さんに本当の話ができないのがつらくて、胸がチクッと痛みを覚える。
『汐里が私の姉になるなんてね。よろしく、お義姉さん。結婚式には必ず出席するからね。最近の桜宮家はおめでたいこと続きね』
「はい。もちろんです。日取りが決まったら、真っ先に知らせます。あ、お義母さまから連絡がありますよね」
電話でよかったと思う。顔を見て話をしたら、なにかがおかしいと、勘のいい華さんに気づかれてしまう。
これからお風呂に入ろうと思っていたときで、ドアから離れてベッドの上に無造作に置いていたスマホを手にした。
スマホの画面に映し出された名前は華さん。その名前に私は急いで通話をタップした。
「もしもし、華さん?」
『ええ。汐里、驚くニュースを今日、お母さんから聞いたわ』
華さんの透明感のある美しい声に、私の顔が緩む。
美女と言うのがピッタリな華さんは、美しい声の持ち主で、第一印象でたいていの人は彼女を大和撫子だと思う。
それは間違いないのだけれど、華さんはサバサバした性格で、言動も見た目と違う。
『おめでとう。兄さんと結婚だなんて、本当にびっくりしたわよ』
「ありがとうございます」
姉と慕う華さんに本当の話ができないのがつらくて、胸がチクッと痛みを覚える。
『汐里が私の姉になるなんてね。よろしく、お義姉さん。結婚式には必ず出席するからね。最近の桜宮家はおめでたいこと続きね』
「はい。もちろんです。日取りが決まったら、真っ先に知らせます。あ、お義母さまから連絡がありますよね」
電話でよかったと思う。顔を見て話をしたら、なにかがおかしいと、勘のいい華さんに気づかれてしまう。