エリート御曹司が花嫁にご指名です
「はい。小学校のとき、スイミングスクールに通っていたので」
「じゃあ競争しよう。種目は?」
「クロールと平泳ぎが好きですが、優成さんの先ほどの泳ぎでは、結果はわかりすぎます」
「ハンデをつけようか」
優成さんは余裕の笑みを口元に浮かべている。
「わかりました!」
縦十五メートルしかないプールなので、五メートルのハンデをつけてもらった。
――結果。
五メートルのハンデをもらっても私は勝てなかった。
もちろん勝てるとは思っていなかったけれど、少し悔しい。乗馬競技をしていたせいか、勝負事となると、勝気な部分が出てくる私だ。
「罰ゲームは――」
「ええっ? 罰ゲームなんて聞いていませんっ」
目を見開いて驚く私に、優成さんはニヤリと笑う。
「キスしろと言うとでも思ったか? クロールで五往復の罰ゲームでどうだ?」
彼の提案に目を剥いたけど、それくらいなら運動にちょうどいいと思い頷く。
「わかりましたっ。五往復してきます」
私はにっこり笑って、水の中に身体を滑らせた。
楽しい時間はあっという間に過ぎて、東京へ戻った私は、宮古島の余韻はなくなり、現実に引き戻された。
「じゃあ競争しよう。種目は?」
「クロールと平泳ぎが好きですが、優成さんの先ほどの泳ぎでは、結果はわかりすぎます」
「ハンデをつけようか」
優成さんは余裕の笑みを口元に浮かべている。
「わかりました!」
縦十五メートルしかないプールなので、五メートルのハンデをつけてもらった。
――結果。
五メートルのハンデをもらっても私は勝てなかった。
もちろん勝てるとは思っていなかったけれど、少し悔しい。乗馬競技をしていたせいか、勝負事となると、勝気な部分が出てくる私だ。
「罰ゲームは――」
「ええっ? 罰ゲームなんて聞いていませんっ」
目を見開いて驚く私に、優成さんはニヤリと笑う。
「キスしろと言うとでも思ったか? クロールで五往復の罰ゲームでどうだ?」
彼の提案に目を剥いたけど、それくらいなら運動にちょうどいいと思い頷く。
「わかりましたっ。五往復してきます」
私はにっこり笑って、水の中に身体を滑らせた。
楽しい時間はあっという間に過ぎて、東京へ戻った私は、宮古島の余韻はなくなり、現実に引き戻された。