エリート御曹司が花嫁にご指名です
七、策略の罠
「一条さん、この日にアポを取りたいとの電話なのですが。ただ今、専務が席を外していまして……」
秘書室で仕事をしていると、宮本さんがやってきた。
「確認してから折り返せばいいわ。なんの件か聞いている? 忙しい場合、専務はお会いにならないときもあるから、ちゃんと聞いてね」
「わかりました。確かめてきます」
秘書室から宮本さんはパタパタと慌ただしく出ていった。
彼女が私の下で仕事を始めて、一ヵ月が経っていた。
九月下旬、季節は秋へ移ろうとしている。といっても、まだまだ日中は暑く、夜は涼しくてジャケットか羽織るものが必需品だ。
一週間前から優成さんのスケジューリングを宮本さんに任せており、私はあまり口を出さないようにしていた。
専務の第一秘書の立場は変わっていないけれど、業務を覚えてもらうために、私は彼女の補佐に徹している。
秘書室にいることが多くなって、勤務中は優成さんと会話がほとんどない状態だった。
明後日の日曜は大安吉日で、私たちの結納の日。
会話がほとんどない状況でも、宮古島の旅行以来、私たちは退勤後に食事へ行ったり、週末に会ったりしていた。
愛されてはいないけれど、いい方向へ進んでいると思う。
秘書室で仕事をしていると、宮本さんがやってきた。
「確認してから折り返せばいいわ。なんの件か聞いている? 忙しい場合、専務はお会いにならないときもあるから、ちゃんと聞いてね」
「わかりました。確かめてきます」
秘書室から宮本さんはパタパタと慌ただしく出ていった。
彼女が私の下で仕事を始めて、一ヵ月が経っていた。
九月下旬、季節は秋へ移ろうとしている。といっても、まだまだ日中は暑く、夜は涼しくてジャケットか羽織るものが必需品だ。
一週間前から優成さんのスケジューリングを宮本さんに任せており、私はあまり口を出さないようにしていた。
専務の第一秘書の立場は変わっていないけれど、業務を覚えてもらうために、私は彼女の補佐に徹している。
秘書室にいることが多くなって、勤務中は優成さんと会話がほとんどない状態だった。
明後日の日曜は大安吉日で、私たちの結納の日。
会話がほとんどない状況でも、宮古島の旅行以来、私たちは退勤後に食事へ行ったり、週末に会ったりしていた。
愛されてはいないけれど、いい方向へ進んでいると思う。