エリート御曹司が花嫁にご指名です
私が今まで出会った男性の中で、一、二を争う色気をまとっている。
争う相手は桜宮専務の弟、朝陽さん。恐るべし桜宮家のDNAである。
「俺の車で行くから、手配はしないでいい。その時間に出よう」
私は秘書たちと電車で向かうつもりだったから、「え?」とあっけに取られた。
「同じ場所へ行くんだ。一緒でいいだろう?」
「は、はい。よろしくお願いいたします」
私は戸惑いながらも、表情にはなるべく出さずに頭を下げた。
いつもと違うわ……。桜宮専務の様子が……。
私は新宿の夜景が綺麗に見渡せる四十階の高級フレンチレストランの室内へ、動揺を隠しながら視線をさまよわせる。
白いテーブルクロスがかけられた長テーブルのひとつには、社長をはじめ、重役たち。
もうひとつのテーブルには秘書が座っているのが通例。だけど、今日はなぜか私の席が桜宮専務の隣にあって、有無を言うことも叶わず腰を下ろさせられてしまった。
周りは常務や理事などの重鎮たち。
救いなのは、私の隣には三和子さんがいるということ。
争う相手は桜宮専務の弟、朝陽さん。恐るべし桜宮家のDNAである。
「俺の車で行くから、手配はしないでいい。その時間に出よう」
私は秘書たちと電車で向かうつもりだったから、「え?」とあっけに取られた。
「同じ場所へ行くんだ。一緒でいいだろう?」
「は、はい。よろしくお願いいたします」
私は戸惑いながらも、表情にはなるべく出さずに頭を下げた。
いつもと違うわ……。桜宮専務の様子が……。
私は新宿の夜景が綺麗に見渡せる四十階の高級フレンチレストランの室内へ、動揺を隠しながら視線をさまよわせる。
白いテーブルクロスがかけられた長テーブルのひとつには、社長をはじめ、重役たち。
もうひとつのテーブルには秘書が座っているのが通例。だけど、今日はなぜか私の席が桜宮専務の隣にあって、有無を言うことも叶わず腰を下ろさせられてしまった。
周りは常務や理事などの重鎮たち。
救いなのは、私の隣には三和子さんがいるということ。