私とあなたの ラブシークレット ~番外編~
「愛実。玄関に行ってろ」
へ?
素直に玄関にいったあたしは
「帰るぞ」
そう言ってきたのは、翔哉ではなく
伊蕗にぃの手の中には、車のカギ
「愛実は俺と帰るんですよ。”お義兄さん”」
「お前に、そう言われると気持ち悪い」
「俺も、お前にそう呼ばれんのは、気色わりぃ」
「おい」
クスクスと笑っていると
「久々に笑ったな」
え?
「あの時は、無理して笑ってたしな」
「帰るぞ」
「あ」
引っ張られた手首が熱い
車に乗っても、運転をしてても
あたしの手を離さない翔哉
「あれ?」
マンションに行く道は違うはず
でも、翔哉は、迷わず車で進んでいる