私とあなたの ラブシークレット ~番外編~
そういや。京介には言ってなかったな。
伊蕗さんには、学園理事だから話はしたが
「愛輝は、今まで通り寮に住んでもらうんだ」
「へぇ。お前のことだから
愛実を連れて一緒に住むかと思っていたんだけどな」
俺もそうしたかったけどな。
「大学と仕事の両立する俺の生活に
愛実を巻き込みたくねぇ」
「いずれは、一緒に住むんだ。今から」
「いいんだ。俺も愛実もこれで。
伊蕗さんに特別条件を貰えてるんだ」
「特別条件?」
「あぁ。毎週末は、寮じゃなくて
俺のマンションで過ごせるようにしてもらえている」
「そうか。なら、俺も何も言えねぇな」
「悪いな」
「いや」
「ただな。愛実が伊蕗さんに言ったんだよ」
「言った?」
あぁ。
「この制度をなくしてほしいと」
「!?
愛実が、そう言ったのか?」
「間違いない。
これ以上、最初から婚約者がいるこのプリンセス制度をなくしたいと
愛実は、そう感じていたのかもしれない。」
「そうか」
ガチャっと空いた玄関の音
「ただ・・・いま?」
「お帰り。愛実」
「う・・・ん?
何で、京にぃがいるの?
今柚ちゃんと帰って来たんだけど」
「じゃあ、俺も帰るわ」
「あぁ」
そう言って帰っていった京介
隣を見ると不思議そうな顔をしている愛実
「なんで、京にぃが来てたの?」
「お前が柚と出かけるからだろ」
「あたしと柚ちゃん?」