【女の事件】豚小屋

豚小屋・２

第１話

「お待たせ…それじゃあ晩ごはんを食べましょうか。」

話は、家の食卓から始まる。

家の食卓には、あやみ(36歳・専業主婦)とあやみの姉・よしえ(40歳・パート主婦)のひとり息子・しゅうさく(３歳)とあやみの夫・重朝(しげとも・39歳・会社員)と義弟の重秀(しげひで・31歳・工場勤務)と重朝と重秀のきょうだいの母親(68歳)の５人がいた。

テーブルの上には、あやみのお手製のクリームグラタンとグリーンサラダが置かれていた。

家族みんなが晩ごはんを食べようとしていたが、あやみが待ったをかけた。

なんで待ったをかけたのかと言うと、あやみは毒味役のしゅうさくにおいしくできているかどうかを確かめるためであった。

しゅうさくが一口食べて『おいしい』と言うまではごはんを食べることができないことに、重秀がイラついていた。

なんなんや一体…

しゅうさくが『おいしい』と言わないと食べれないのか…

しゅうさくの動作が遅いことにブチ切れた重秀は、しゅうさくの頭に小皿を投げつけた。

しゅうさくの頭に小皿が直撃した。

「ギャァァァァァァァァァァァァ!!」

しゅうさくの強烈な叫び声をあげて泣いていた。

それを聞いたあやみは、重秀にどうしてしゅうさくに暴力をふるうのかと問い詰めたので、大ゲンカになった。

「重秀さん!!どうしてしゅうさくにきつい暴力をふるうのよ!!」
「やかましいだまれ!!オドレはなんでいらないことをするのだ!?」
「アタシは、しゅうさくが一口食べて、おいしくできているかどうかを確かめたいから止めただけなのよ!!」
「だまれ!!だまれ!!だまれ!!」

重秀は、あやみのあしもとにできたてのグラタンを投げつけた後『マージャン屋へ行く!!』と怒って食卓から出て行った。

それを聞いた重朝も、ものすごくイラついた声で『オドレふざけとんか!!』とあやみに怒ったあと、あやみのあしもとにできたてのグラタンを投げつけた。

そして、あやみに『外へのみに行く!!』と突き放す声で言うて食卓から飛び出した。

どうして…

どうしてなのよ…

アタシは、しゅうさくが一口食べてみておいしくできているかどうかを確かめたいから待ったをかけたのよ…

アタシのやり方が、そんなに気に入らないと言うのかしら…

事件が発生したのは、2017年７月14日の夜７時頃のことであった。

この日を境にして、あやみは重朝の家族から怒りのホコサキを向けられた。

あやみは、重朝の家で結婚生活を続けて行くことがつらくなったので、離婚を考えるようになった。