【女の事件】豚小屋
第11話
8月7日の早朝5時半頃のことであった。
飯田市上柳黒田にある無人の豚小屋の敷地内に長野県警のパトカー30台がけたたましいサイレンを鳴らして次々と入っていた。
現場は、緊迫した空気に包まれていた。
豚小屋の敷地内にある汚水槽で、重朝の職場の新入りの男性従業員さんのお姉さまがボロボロに傷ついた姿で亡くなっていたのを、経営者の男性が発見したことで、さわぎが広まった。
この時、よしえは義姉夫婦の家に移り住んでから恐ろしい事件を次々と目の当たりにしていたので、強い不安にかられていた。
アタシ…
移住先を間違えてしまったわ…
義姉夫婦がおいでと言うから、しゅうさくを連れて義姉夫婦の家に移り住んだのに…
どうして次々と恐ろしい事件ばかりが続いているのか…
わからない…
この最近…
義兄も、イライラが高まっているから…
家が危なくなったみたい…
それから3日後の8月10日のことであった。
この日、最高気温が3日続けて40度以上を越えていた。
同時に、不快指数もめちゃめちゃ高かった。
この時、重秀が職場を勝手に休んでいたことが問題になっていた。
あやみは、重秀本人を連れて来るようにと工場長から言われたので、重秀を連れて工場へ行った。
しかし、重秀本人が朝から家にいないので仕方なくあやみひとりで工場へ行った。
ところ変わって、日南町にあるマヨネーズ工場にて…
あやみは、応接間で工場長さんとお話をしていた。
この時、工場長さんがものすごくあつかましい声で言うたので、おだやかに話し合いができなかった。
「あのね!!うちの工場は、段ボールの折り畳みと製品を箱に詰めるお仕事の人手が大きく不足しているからものすごく困っているのだよ…きのう従業員ひとりがやめたので困っているのだよ…従業員の引き留めに失敗したので、こっちはイライラしているのだよ!!」
あやみは、工場長さんに『すみません』と言うしかなかった。
工場長さんは、あやみに『もう一度、カレにチャンスを与えるから、出勤するように言うてください!!』と当たり散らす声で言うた後、応接間から出ていった。
工場から出たあやみは、フラフラとした足取りで道を歩きながら工場長から言われた言葉に腹を立てていた。
重秀さんが工場に出勤しなくなった原因は…
全部アタシにあると言いたいのかしら…
あやみは、ぼんやりとした表情で歩き続けていたので、自分がいまどのあたりにいるのかがわからなくなっていた。
そんな時であった。
あやみは挙母町(こもろちょう)にあるよしえとゆういちろう夫婦が暮らしている家の前にやって来た。
この時、家の玄関の前にピンク色の和服姿の女性が大声でよしえとゆういちろう夫婦を呼んでいた。
あやみは、和服姿の女性のもとに行って事情を聞いた。
「あの~」
「はい。」
「おたくは、どちら様でしょうか?」
「うちは、栄南でナイトクラブを経営しているママです。」
「栄南のナイトクラブのママ。」
「ええ。」
「あの~、うちの姉の家にどのようなご用でしょうか?」
「あんた、ここの家の人かしら!?」
「ええ。」
「ちょっと!!あんたどーしてくれるのよ!!」
「どうしてくれるのよって…どういう意味でしょうか!?」
「あのね!!8月5日の深夜にうちのナイトクラブで働いているホステスの女のコがドーハンの男の客に殴られて大ケガを負ったのよ!!」
「ですから、おたくのナイトクラブのホステスさんが殴られたこととうちの姉とどー言う関係があるのですか!?」
「あんたね!!うちのかわいいホステスをどついた男は、あんたのおねえのダンナなのよ!!おねえのダンナが逃げ回っているのであれば、義妹であるあんたに治療費を請求するわよ!!」
「キーッ!!もう怒ったわよ!!アタシは姉とはとっくの昔にゼツエンしたのよ!!ゼツエンしたおねえのしりぬぐいは一切しないから…帰ってくれるかしら!!」
ナイトクラブのママに思い切りキレたあやみは、その場から走り去った。
8月10日を境にして、よしえの家とあやみの家は家庭崩壊へ向かって突き進んでいた。
サイアクの危機が、すぐそこに迫っていた。
飯田市上柳黒田にある無人の豚小屋の敷地内に長野県警のパトカー30台がけたたましいサイレンを鳴らして次々と入っていた。
現場は、緊迫した空気に包まれていた。
豚小屋の敷地内にある汚水槽で、重朝の職場の新入りの男性従業員さんのお姉さまがボロボロに傷ついた姿で亡くなっていたのを、経営者の男性が発見したことで、さわぎが広まった。
この時、よしえは義姉夫婦の家に移り住んでから恐ろしい事件を次々と目の当たりにしていたので、強い不安にかられていた。
アタシ…
移住先を間違えてしまったわ…
義姉夫婦がおいでと言うから、しゅうさくを連れて義姉夫婦の家に移り住んだのに…
どうして次々と恐ろしい事件ばかりが続いているのか…
わからない…
この最近…
義兄も、イライラが高まっているから…
家が危なくなったみたい…
それから3日後の8月10日のことであった。
この日、最高気温が3日続けて40度以上を越えていた。
同時に、不快指数もめちゃめちゃ高かった。
この時、重秀が職場を勝手に休んでいたことが問題になっていた。
あやみは、重秀本人を連れて来るようにと工場長から言われたので、重秀を連れて工場へ行った。
しかし、重秀本人が朝から家にいないので仕方なくあやみひとりで工場へ行った。
ところ変わって、日南町にあるマヨネーズ工場にて…
あやみは、応接間で工場長さんとお話をしていた。
この時、工場長さんがものすごくあつかましい声で言うたので、おだやかに話し合いができなかった。
「あのね!!うちの工場は、段ボールの折り畳みと製品を箱に詰めるお仕事の人手が大きく不足しているからものすごく困っているのだよ…きのう従業員ひとりがやめたので困っているのだよ…従業員の引き留めに失敗したので、こっちはイライラしているのだよ!!」
あやみは、工場長さんに『すみません』と言うしかなかった。
工場長さんは、あやみに『もう一度、カレにチャンスを与えるから、出勤するように言うてください!!』と当たり散らす声で言うた後、応接間から出ていった。
工場から出たあやみは、フラフラとした足取りで道を歩きながら工場長から言われた言葉に腹を立てていた。
重秀さんが工場に出勤しなくなった原因は…
全部アタシにあると言いたいのかしら…
あやみは、ぼんやりとした表情で歩き続けていたので、自分がいまどのあたりにいるのかがわからなくなっていた。
そんな時であった。
あやみは挙母町(こもろちょう)にあるよしえとゆういちろう夫婦が暮らしている家の前にやって来た。
この時、家の玄関の前にピンク色の和服姿の女性が大声でよしえとゆういちろう夫婦を呼んでいた。
あやみは、和服姿の女性のもとに行って事情を聞いた。
「あの~」
「はい。」
「おたくは、どちら様でしょうか?」
「うちは、栄南でナイトクラブを経営しているママです。」
「栄南のナイトクラブのママ。」
「ええ。」
「あの~、うちの姉の家にどのようなご用でしょうか?」
「あんた、ここの家の人かしら!?」
「ええ。」
「ちょっと!!あんたどーしてくれるのよ!!」
「どうしてくれるのよって…どういう意味でしょうか!?」
「あのね!!8月5日の深夜にうちのナイトクラブで働いているホステスの女のコがドーハンの男の客に殴られて大ケガを負ったのよ!!」
「ですから、おたくのナイトクラブのホステスさんが殴られたこととうちの姉とどー言う関係があるのですか!?」
「あんたね!!うちのかわいいホステスをどついた男は、あんたのおねえのダンナなのよ!!おねえのダンナが逃げ回っているのであれば、義妹であるあんたに治療費を請求するわよ!!」
「キーッ!!もう怒ったわよ!!アタシは姉とはとっくの昔にゼツエンしたのよ!!ゼツエンしたおねえのしりぬぐいは一切しないから…帰ってくれるかしら!!」
ナイトクラブのママに思い切りキレたあやみは、その場から走り去った。
8月10日を境にして、よしえの家とあやみの家は家庭崩壊へ向かって突き進んでいた。
サイアクの危機が、すぐそこに迫っていた。