【女の事件】豚小屋

第４話

その翌朝のことであった。

ところ変わって、家の居間にて…

家の居間の食卓には、直家とりつよと忠家となおみがいて朝ごはんを食べていましたが、さおりは食卓にいなかった。

そこへ、制服姿のさおりが四角いカバンを抱えて居間へ来たので、直家は過度にやさしい声で言うた。

「さおり…どうしたのだ…朝ごはんできているのだよ…食べて行きなさい。」

直家の言葉を聞いて思い切りキレていたさおりは、後に四角いカバンで直家の頭を殴りつけた。

「さおり…さおり…一体どうしたのだ!!さおり…」

直家の頭をカバンで殴りつけたさおりは、ドカドカと足音をたてながら家を出た。

直家は、どうしてさおりにカバンで殴られたのか分かなかった。

もしかしたら、強烈なレイプの被害を受けてボロボロに傷ついたことが原因で…

私とりつよ夫婦となおみに…

より激しいうらみをつのらせているのではないのか？

一刻でも早くさおりの心のケアをしなければ…

手遅れになってしまう…

直家は、さおりの心のケアを一刻も早く始めないと手遅れになってしまうと思っていた。

けれど、淵埼に対する怒りが強いのであとまわしにしていた。

淵埼は、抵抗する力と反論する力を喪っていたので、直家から暴行を受けても訴える先がないのであきらめている。

直家から暴行を受けても殴られっぱなし…

その間、淵埼の中では怒りがチクセキされていた。

ところ変わって、飯田市高羽町にあるセブンイレブンにて…

なおみは、店内で新しく来たお弁当を陳列ケースに入れ換える前に賞味期限切れのお弁当を取り出す作業をしていた。

その時に、クリーム色のトレンチコートを着た50代の男性が店内に入ってきた。

店内に入った男性は、なおみに声をかけた。

「ちょっとかまいませんか？」
「はい…どちら様でしょうか？」
「ああ…警視庁の捜査１課の刑事の…沼隈と言います…」
「警視庁の捜査１課の刑事が、どうしてここへ来たのですか!?」

なおみは、沼隈に怒った口調で言うた。

沼隈は、ものすごく困った表情でなおみに言うた。

「ああ…お仕事中申し訳ございません…ですが…５分だけお時間をいただけますか？」
「あんたはアタシのお仕事の手を止めて何をしようとしているのかしら!!」が
「ああ…すみません…すぐに終わります…」
「手短にしてよ!!」
「わかりました…あの～…私たちは…行方不明になっている男性を探しているのです。」

なおみにこう言うた沼隈は、行方不明になっている男性の写真を見せた。

行方不明になっている男性は、淵埼であった。

淵埼の写真を見たなおみは、顔が真っ青になった。

ウソ…

ウソでしょ…

どうして…

淵埼の写真を刑事が持っているのよ…

沼隈に対して、なおみは『見ていません!!』と言うてから『物を買わないのだったら出ていってください!!』と怒って、力で追いだした。

「分かりました…帰ります…帰ります…」

なおみは、沼隈をおいだしたあと『今度来たら店長の知人の知人を呼ぶわよ!!』と怒鳴りつけた。

一体どういうことなのよ…

沼隈は…

アタシに何を言おうとしていたのよ…

こわい…

こわい…

店を追いだされた沼隈が、立ち上がったあと立場ニヤニヤとした表情を浮かべていたのをなおみは見たので、沼隈に恐怖心を抱くようになった。