【女の事件】豚小屋

第４話

ところ変わって、しゅういちが勤務している工場の敷地内にて…

しゅういちは、この最近お昼やすみに経理事務のふきことふたりきりでお弁当を食べるようになった。

だから、従業員さんたちから反感を受けるようになった。

しゅういちは、みんなが見ていない場所でふきこと一緒にお弁当を食べていた。

ふきこは『気持ちはうれしいけれど、婚約者がいるのよ…』とイヤな気持ちになっている。

けれど、しゅういちはふきこと一緒にいるときが一番楽しいからと言うてシツヨウに接近していた。

妻であるあいこがダラクしているから、しゅういちがセクハラ魔になった。

妻であるあいこは、今も無気力状態になっているので、しゅういちのセクハラがエスカレートしている…

それなのに、あいこは身体(からだ)を張ってしゅういちはを止めようとしない…

アタシ…

家族のために一生懸命になって働いていたのに…

暮らしが上向きにならない…

もう、今の仕事を続けて行くのは…

できなくなるかもしれない…

あいこは、３月31日で期限が切れる雇用契約を更新する手続きをしなければならないのに、気持ちがダセイになっていたのでほったらかしにして、そのままやめることにした。

その日の夜のことであった。

しゅういちとふきこは、名古屋栄入江町通り本町にあるラブホへ行った。

生まれたままの姿のふたりは、ベッドの上で身体を求めあっていた。

「ああ!!しゅういち…しゅういち…しゅういち…」
「ふきこ…ふきこ…ふきこ…」
「しゅういち…」
「ふきこ!!オレ…妻と離婚する…妻と離婚する…」
「しゅういち…本当なの？」
「本当だ…ふきこ…オレの赤ちゃんを生んでくれ…オレの赤ちゃんを生んでくれ…」
「イヤァァァァァァァァァァァ!!イヤァァァァァァァァァァァ!!イヤァァァァァァァァァァァ!!」
「ふきこ!!ふきこ!!」

ふきことしゅういちの泣き叫ぶ声が、部屋中に響いていた。

しゅういちは、ふきこに婚約者と別れてくれと求め続けていた。

しゅういちのセクハラは、さらにエスカレートしていたようだ。

３月６日の午後２時半過ぎのことであった。

しゅういちは、職場内にある自販機コーナーで、ふきことLINEのやりとりをしていた。

LINEのやりとりが終わってから数分後に、永富さんがしゅういちのもとへやって来た。

「しゅういちさん。」
「課長。」
「お前、ここにいたのか？」
「ええ…」

永富さんは、ものすごい血相でしゅういちに怒った。

「しゅういちさん!!今から半田へ行くぞ!!」
「半田へ行く？」
「そうだ!!」

しゅういちは、キョトンとした表情で永富さんに言うた。

「半田へ何しに行くのですか？」
「どげざをしに行くのだ!!」
「ドゲザ？」
「キサマ!!この最近経理事務の女性と職場内であられもない関係を持っていたようだな!!その事が原因で婚約者の男性が今日職場をやめたぞ!!」
「ええ!!そんな…」

事の重大性に気づいたしゅういちは、頭がサクラン状態におちいったあと、その場から逃げ出した。

職場から逃げ出したしゅういちは、職場放棄をして常滑市内を逃げ回ったあげくに名古屋へ逃げて行った。

問題発覚の翌日から、しゅういちは職場にたてついて抵抗するようになった。

妻であるあいこ自身も、生活態度が極力悪化した。

夫婦のダラクが原因で、ちづるの家では次々と恐ろしい事件に巻き込まれて行くのであった。