【女の事件】豚小屋
第6話
それから7日後のことであった。
ふさえとふさこがどこへ監禁されているのか分からないので、家族のいらだちがさらに高まっていた。
愛知県警の捜査1課の刑事たちも、全力をあげてふさえとふさこが監禁されている場所の特定を進めているが、時間がかかる見込みだ。
ひでのりは、区役所からキンシン中なので出勤できないが、本人は区役所をやめたいというてた。
だから、サモン委員会が開かれた日に暴れてやめることを決意した。
ふさえとふさこが誘拐されたことも大きく影響していたので、難局を乗り切る力はなかった。
その一方で、ふさこを連れ去った犯人グループからのひろつぐを72時間以内にケーサツに出頭させろと言う要求があったが、所定の時間はすでに過ぎていた。
その間、全く動きがなかったので、いらだちはさらに高まっていた。
7月18日の夜7時過ぎのことであった。
家の居間には、ひろつぐの母親とあずさとひであきとほのかがいて晩ごはんを食べていた。
ここ最近、あずさはなまけてばかりいた。
この日の夕食は、電子レンジで作るナポリタンであった。
ひでのりとほのかが幼稚園に行くことができない状態が続いていた。
ふたりは『幼稚園に行きたい…』と泣いていた。
「おかーさん…いつになったら幼稚園に行くことができるのぉ?」
「幼稚園に行きたい…お友だちに会いたい…」
「ああ…ごめんね…ひであきとほのかが幼稚園に行きたいと言うているのに、ごめんね…」
「いつになったら行けるのぉ?」
「今は夏休みだから、9月になったら行くことができるよ。」
あずさはやさしい声でひであきとほのかに『幼稚園に行ける時が来るまでガマンしてね。』と言うた。
端にいるひろつぐの母親はひでのりが『区役所をやめる!!』と言うたことに腹を立てていた。
だから、あずさに八つ当たりした。
「あずささん…あずささん!!」
「おばさま…」
「あんたこの頃、何考えて生活しているのかしら!!」
「えっ?何考えて生活しているって?」
「あずささん!!ひであきとほのかが幼稚園へ行きたいと言ってるのに、なんで休ませているのよ!!」
「おばさま!!今はふさえとふさこが誘拐されて、安否が分からないので、幼稚園に行かせることができないのです…」
「やかましいわね!!あんたがナマケモノになったから大事な家族が誘拐されたのでしょ!!ひでのりがキンシン処分を受けたのでしょ!!」
「おばさま!!」
そこへ、ひろつぐの父親が真っ青な顔をして家に帰って来た。
ひろつぐの父親は、フラフラとした足取りで居間に入った後、母親にこう言うた。
「裁判になってしまった…」
「裁判。」
「従業員さんたちが、集団で訴えを起こした。」
「集団で訴えを起こした…」
「未払いのお給料があったことに加えて…他にも…ゴホゴホ!!」
「あなた…あなた…ねえあなた大丈夫!?」
「ゴホゴホ…つらい…つらい…オレ…一生懸命になって経営に取り組んで来たのに…従業員さんたちから訴えられた…信金からユウシを断られる…もうゼツボーだ…しんどい…頭がひどく痛む…ああ…ゴホゴホ!!」
「あなた…あなた…」
「しんどい…もう寝る…」
「分かったわ。」
ひろつぐの母親は、寝室へ行って急いでふとんをしいた。
ふとんが敷けた後、ひろつぐの父親はふとんに入ってそのまま眠った。
さて、その頃であった。
ひでのりは、栄袋町通りにあるキャバクラへ行って、ホステスの女たちをはべらせていた。
キンシン中のひでのりは、区役所の会計の事務所へ行って、職員が不在であるのを見計らって金庫の中から5000万円を抜き取った。
そのあしで、栄のキャバクラに行った。
抜き取った金は、指名したホステスの女のコ10人にひとり500万円ずつ渡した。
「ほーら、臨時収入だよ。」
「キャー、うれしい。」
「ねえ、アタシにもぉ…」
ひでのりは、ホステスをはべらせている様子をフェイスブックにアップした。
区役所側の怒りは、さらに増幅していた。
深夜11時50分頃のことであった。
ひでのりは、いちばんのオキニのキャバの女のコを家に連れてきた。
オキニの女のコは、ひでのりの赤ちゃんを胎内に宿していた。
そのことを家族が聞いたので、騒ぎが大きくなった。
家の居間にて…
ひでのりは、あずさとひろつぐの母親にキャバの女のコと再婚すると酔った口調で言うた。
ひろつぐの母親は、ものすごく怒った口調でこう言うた。
「ひでのり!!あんた何考えとんかしら!!それじゃあ、あずささんと子供たちはどうするのよ!!」
「どーするって…棄てる!!」
「ひでのり!!」
「おばさん、オレ…本当のことを言うとあずさと結婚したくなかったんだよ!!本当は違う女と結婚したかった!!それなのにあんたらが阻止したからできなかったのだよ!!」
「ひでのり!!あのときはお給料がまだ少なかった…」
「やかましいオドレ!!」
「ひでのり!!それじゃあふさえとふさこはどうするのよ!!」
「あんなガキ、死ねばいいのだよ!!」
「ンマー、なんてことを言うのよ!!」
「だってそうじゃないかよ…ふさえとふさこは、オレが大学生の時に同じゼミにいたクソ野郎のオンゾウシの子供なんだよ!!だから殺されて当然なんだよ!!」
「もういいわよ…ひでのり…」
「ああ…そう言うことで、あずさとは離婚する…子供の養育費はあんたらで面倒みろよ…アバよ…」
この後、キャバの女はあずさに対して心がズタズタに傷つくまで言いまくった後『ひでのりの妻はアタシなのよ!!』と凄んだ。
ひでのりは、あずさに『ひであきとほのかを施設へぶち込んでおけ!!』と言うた。
ひろつぐの母親は、もう手に負えないのであきらめたので『ひであきとほのかを施設へ入れて、この家から出て行きなさい!!』と言うより他はなかった。
あずさは、翌朝荷物をまとめてひであきとほのかを連れて家出した。
あずさは、ひであきとほのかを養護施設に預けた後、清水(静岡市)にある実家へ帰ることにした。
ふさえとふさこがどこへ監禁されているのか分からないので、家族のいらだちがさらに高まっていた。
愛知県警の捜査1課の刑事たちも、全力をあげてふさえとふさこが監禁されている場所の特定を進めているが、時間がかかる見込みだ。
ひでのりは、区役所からキンシン中なので出勤できないが、本人は区役所をやめたいというてた。
だから、サモン委員会が開かれた日に暴れてやめることを決意した。
ふさえとふさこが誘拐されたことも大きく影響していたので、難局を乗り切る力はなかった。
その一方で、ふさこを連れ去った犯人グループからのひろつぐを72時間以内にケーサツに出頭させろと言う要求があったが、所定の時間はすでに過ぎていた。
その間、全く動きがなかったので、いらだちはさらに高まっていた。
7月18日の夜7時過ぎのことであった。
家の居間には、ひろつぐの母親とあずさとひであきとほのかがいて晩ごはんを食べていた。
ここ最近、あずさはなまけてばかりいた。
この日の夕食は、電子レンジで作るナポリタンであった。
ひでのりとほのかが幼稚園に行くことができない状態が続いていた。
ふたりは『幼稚園に行きたい…』と泣いていた。
「おかーさん…いつになったら幼稚園に行くことができるのぉ?」
「幼稚園に行きたい…お友だちに会いたい…」
「ああ…ごめんね…ひであきとほのかが幼稚園に行きたいと言うているのに、ごめんね…」
「いつになったら行けるのぉ?」
「今は夏休みだから、9月になったら行くことができるよ。」
あずさはやさしい声でひであきとほのかに『幼稚園に行ける時が来るまでガマンしてね。』と言うた。
端にいるひろつぐの母親はひでのりが『区役所をやめる!!』と言うたことに腹を立てていた。
だから、あずさに八つ当たりした。
「あずささん…あずささん!!」
「おばさま…」
「あんたこの頃、何考えて生活しているのかしら!!」
「えっ?何考えて生活しているって?」
「あずささん!!ひであきとほのかが幼稚園へ行きたいと言ってるのに、なんで休ませているのよ!!」
「おばさま!!今はふさえとふさこが誘拐されて、安否が分からないので、幼稚園に行かせることができないのです…」
「やかましいわね!!あんたがナマケモノになったから大事な家族が誘拐されたのでしょ!!ひでのりがキンシン処分を受けたのでしょ!!」
「おばさま!!」
そこへ、ひろつぐの父親が真っ青な顔をして家に帰って来た。
ひろつぐの父親は、フラフラとした足取りで居間に入った後、母親にこう言うた。
「裁判になってしまった…」
「裁判。」
「従業員さんたちが、集団で訴えを起こした。」
「集団で訴えを起こした…」
「未払いのお給料があったことに加えて…他にも…ゴホゴホ!!」
「あなた…あなた…ねえあなた大丈夫!?」
「ゴホゴホ…つらい…つらい…オレ…一生懸命になって経営に取り組んで来たのに…従業員さんたちから訴えられた…信金からユウシを断られる…もうゼツボーだ…しんどい…頭がひどく痛む…ああ…ゴホゴホ!!」
「あなた…あなた…」
「しんどい…もう寝る…」
「分かったわ。」
ひろつぐの母親は、寝室へ行って急いでふとんをしいた。
ふとんが敷けた後、ひろつぐの父親はふとんに入ってそのまま眠った。
さて、その頃であった。
ひでのりは、栄袋町通りにあるキャバクラへ行って、ホステスの女たちをはべらせていた。
キンシン中のひでのりは、区役所の会計の事務所へ行って、職員が不在であるのを見計らって金庫の中から5000万円を抜き取った。
そのあしで、栄のキャバクラに行った。
抜き取った金は、指名したホステスの女のコ10人にひとり500万円ずつ渡した。
「ほーら、臨時収入だよ。」
「キャー、うれしい。」
「ねえ、アタシにもぉ…」
ひでのりは、ホステスをはべらせている様子をフェイスブックにアップした。
区役所側の怒りは、さらに増幅していた。
深夜11時50分頃のことであった。
ひでのりは、いちばんのオキニのキャバの女のコを家に連れてきた。
オキニの女のコは、ひでのりの赤ちゃんを胎内に宿していた。
そのことを家族が聞いたので、騒ぎが大きくなった。
家の居間にて…
ひでのりは、あずさとひろつぐの母親にキャバの女のコと再婚すると酔った口調で言うた。
ひろつぐの母親は、ものすごく怒った口調でこう言うた。
「ひでのり!!あんた何考えとんかしら!!それじゃあ、あずささんと子供たちはどうするのよ!!」
「どーするって…棄てる!!」
「ひでのり!!」
「おばさん、オレ…本当のことを言うとあずさと結婚したくなかったんだよ!!本当は違う女と結婚したかった!!それなのにあんたらが阻止したからできなかったのだよ!!」
「ひでのり!!あのときはお給料がまだ少なかった…」
「やかましいオドレ!!」
「ひでのり!!それじゃあふさえとふさこはどうするのよ!!」
「あんなガキ、死ねばいいのだよ!!」
「ンマー、なんてことを言うのよ!!」
「だってそうじゃないかよ…ふさえとふさこは、オレが大学生の時に同じゼミにいたクソ野郎のオンゾウシの子供なんだよ!!だから殺されて当然なんだよ!!」
「もういいわよ…ひでのり…」
「ああ…そう言うことで、あずさとは離婚する…子供の養育費はあんたらで面倒みろよ…アバよ…」
この後、キャバの女はあずさに対して心がズタズタに傷つくまで言いまくった後『ひでのりの妻はアタシなのよ!!』と凄んだ。
ひでのりは、あずさに『ひであきとほのかを施設へぶち込んでおけ!!』と言うた。
ひろつぐの母親は、もう手に負えないのであきらめたので『ひであきとほのかを施設へ入れて、この家から出て行きなさい!!』と言うより他はなかった。
あずさは、翌朝荷物をまとめてひであきとほのかを連れて家出した。
あずさは、ひであきとほのかを養護施設に預けた後、清水(静岡市)にある実家へ帰ることにした。