~fault~私だけが・・・
「優斗くん?」
「渉ちゃん、オレ君にずっと言いたかったことあるんだ。」

「なに?」

「渉ちゃんは、がさつなんかじゃないよ。気も利くし優しいしカワイイし、いつも女のコなんだなぁって思ってるよ。渉ちゃんはオレにとって最高の女のコだよ。」

「・・・ほ、んとに?」

「ホントだって、オレが保証する。オレがちゃんと分かってるよ。渉ちゃんはとってもイイ女だって。」

「そんなふうに言ってくれるの優斗くんだけだよ。でもうれしい・・・」


なんかすごくすごくドキドキした。
私でイイんだって思えてすごくうれしいかった。


「ん?オレだけじゃ不満?他の誰かにも知ってて欲しい?」

「うんん、違うの。優斗くんに言ってもらえて嬉しいの。他の誰かじゃなくて、優斗くんだからうれしいの。優斗くんだけに、分かってもらえてれば、それでイイ。それがいいよ私」


肩を引き寄せられ耳元で聞こえた私の男みたいな名前。
優斗くんが渉ちゃん好きだよって優しく抱きしめてくれた。

ドキドキした。
抱きしめられた事に対してもあるけど
だけにわかってもらえればとか、他の誰かじゃなくてとか、それがいいとかあんな事をサラっと言ってしまえた自分に一番驚いてドキドキしていた。

優斗くんは耳元でこうも言った。
「渉って呼んでもイイかな?」って・・・

うなずいた私の唇に少し触れて離れた優斗くんの唇。
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