~fault~私だけが・・・
~優斗side~



ウソだよ気になるに決まってる。私だったらって話し出す渉。
吐き出すことも出来ずに居ただろうから、少し聞くことにした。
そして最後に
オレに何もしてあげられない。オレの気持ちにうまく答えることができない。そう言った。

そんなことないのにね。いつも言ってるけど、渉はオレにたくさん与えてくれてる。
今言うことがそれだけじゃないことも分かってるけど、欲求の話なら独りよがりじゃだめなんだよ?欲求は求めて求められて、お互いがそう思えて初めて成立する。
小刻みに震えながらも一生懸命に伝えようとしてくれる渉は弱虫でもないし臆病でもない。
それに、そんな出来事が起こったのに普通でいられるわけがない。

「弱虫にも臆病にもなるだろ?なっていいんだよ?ならないわけがないんだよ?渉?よく聞いて。オレが守る。渉の事守って大切にするからそんなに自分を責めるようなこと言わないで。いい?」


この話を聞いてから正直少し気持ちが揺れた。
嫌いになったとかそう言うんじゃなくて、そういう想いを抱えた渉の事をオレが癒してあげられるのか?オレでいいのか?って。
渉の覚悟には及ばないけど、オレにも覚悟か必要なんだって思った。
辛い過去を抱えている渉を抱くことにオレなりに覚悟も必要でしっかり受け止めてやらなきゃイケないことを感じてた。
ハンパな想いじゃいけないって事。

でもその覚悟はもう出来てる。オレは渉のことを愛してるし幸せにしたいって思うから・・・





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