~fault~私だけが・・・
気付いたら朝。
カサカサっていうシーツの音で目が覚める。

目を開けると、たぶんオレのシャツを羽織ったうしろ姿。
視線を落とすと、まるでコソ泥みたいにつま先立った足を静かに運ぶ。
ゆっくり視線を上げていくと細くもなく太くもないラインに小さく喉が鳴る。

「おはよ」思わずかけてしまった声に大げさに思えるほどビク‼って反応する見慣れた背中。
ゆっくり振り返った渉の腕には無造作に抱え込まれた洋服たち。

「お、ぉきたんだ、、ぅん、おはよう。わたしシャワー行ってくる」
「ぁ、、うん」ってオレの返事はたぶん聞こえてない。
聞く前にダッシュでバスルーム駆け込んだから・・・

静かに目を閉じると途端に騒ぎ出した鼓動。
順を追おうと思っても抜け落ちた記憶に無意識に止めていた呼吸がはじけ大きく肩が上下する。



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