芸能人の幼なじみと、内緒のキスしちゃいました。



「ぅ……もう、やだ……」


「何がやなの依茉ちゃん」


フッと笑いながら、ゆっくり下からすくいあげるように顔をのぞいてくる。


バチっと絡む視線にドキッと心臓が跳ねる。



「イジワル……」


「依茉がそんなかわいー顔するから」


「か、かわいくない……っ」


「かわいーよ。依茉は世界一ウルトラスーパー級にかわいー」


若干棒読みだし、ぜったい世界一とか思ってないし、ウルトラスーパー級って何それ。



「そんなかわいいうれしくないもん……」


「じゃあどんなかわいーならうれしい?」



うぅ……何その聞き方ずるいんだってば。



悝世はわかってるから。
わたしが悝世に"かわいい"って言われるたび、いちいち顔を赤くして恥ずかしがって。


それを見たくてわざとやってるから、あざとくてずるいの。

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