芸能人の幼なじみと、内緒のキスしちゃいました。
「みんな瑠衣くんのこと見てるよ……!」
「じゃあ、依茉ちゃんも俺のこと見てくれてるの?」
「へ……っ?」
急に立ち止まって、
わたしの顔をしっかり見た。
「ほら、俺のことちゃんと見てよ」
大きな手のひらがスッとわたしの頬に優しく触れてくる。
「い、いや……っ、それとこれとは話が違うっていうか!」
わたしが言ってるのは、みんなに注目されちゃうよってことで。
「どう違うのか俺にはわかんないなー」
クスッと笑って、整いすぎてる顔がどんどん近づいてきて、耳元でそっと。
「……ってか、今は周りのことなんか気にせずにさ。俺のこと意識してほしいなーって」
今度は瑠衣くんの細くて綺麗な人差し指がトンッと軽く唇に触れて。
「いつも一緒の悝世は今日はいないから。俺が依茉ちゃんを独り占めできちゃうんだね」