芸能人の幼なじみと、内緒のキスしちゃいました。
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結局あのあと瑠衣くんの言葉になんて返したらいいのかわかんなくて。
だって、いつもの瑠衣くんはあんなこと言ったりしないのに。
「どうかした?なんかボーッとしてるよ?」
「えっ、あっ、ううん!」
一瞬だけ、いつもと違う瑠衣くんだったのに。
今は気づいたら元どおり。
さっきのはいったいなんだったんだろう?
あんまり考えないほうがいいのかなぁと思っていたら。
「それじゃ、依茉ちゃんのお願い聞いて変装してあげたからさ。今度は俺のお願い聞いてよ」
「え、お願いって……」
まだ喋ってる途中。
なのに瑠衣くんの手がお構いなしに、わたしの空いている片方の手をギュッと繋いだ。
「ひゃっ、えっ……!?」
「デートなんだから手くらい繋いでもいいよね?」
いつも見せない瑠衣くんの一面に
なんだか振り回されてばかり。