芸能人の幼なじみと、内緒のキスしちゃいました。



「早くしてよ。遅刻しちゃうけどいーの?」


「なっ、それなら自分でやってよ……!」


誰のせいでこんなことになってると思ってるの……!



「やだよ。
依茉が顔真っ赤にしてるとこもっと見たいもん」


「うぅ……っ」



やっぱりやっぱり悝世は
いつだって確信犯。



***



「ねー、依茉。まだ怒ってんの?」


「お、怒ってない」


「嘘つき。マンボウみたいな顔してるくせに」


「なっ、マンボウって失礼すぎだし!」


それだけ膨れてるって言いたいの!?
ほんと失礼すぎるんだもん。


ようやく支度を全て終えて、
マンションを出てからずっとこの会話の繰り返し。



「せっかくのかわいー顔が台無しだよ依茉ちゃん」


「悝世あざとすぎだもん」


「あざといって?何それおいしーの?」


「もういいもん」


スタスタ1人で歩いて行くと、急に右手をグイッとつかまれて。

< 12 / 359 >

この作品をシェア

pagetop