芸能人の幼なじみと、内緒のキスしちゃいました。
「依茉が俺のこと突き放すなんて100万年早いんですけど」
「ひゃ、ひゃく……まん……」
「だから、俺とこーしてないとダメ」
ギュッとしっかり繋がれた手。
わたしの手よりずっと大きくて、ゴツゴツしてて、男の子の手。
悝世がフツーの男子高校生なら、こうして手を繋いでいても何も問題ないはずなんだけど。
「えっ、あれって悝世くんじゃない!?」
「やだ、女の子と手繋いでるじゃん!?隣にいる子彼女とか!?」
すっかり頭から抜けていたけど、悝世は街を歩けば注目の的なわけで。
今も学校まで歩いているところだけど、すれ違う人たちがみんな悝世のこと見てる。
たぶん、どこかで見たことある顔だからとか、もしくはものすごく顔立ちのいいイケメンが歩いてるとか。
おまけに他校の女子たちからもいろんな声が聞こえてくる。
これも慣れたといえば慣れたけれど……。