芸能人の幼なじみと、内緒のキスしちゃいました。
「おかえり」
「……え、あ」
"ただいま"って返したらいいだけなのに、悝世の姿を見て声を聞いたら。
「えま?」
「っ、」
……意識しないほうが難しくて。
なんでわたしばっかりが意識してばっかりで、悝世はなんともないような態度なの…?
いつまでも中に入ってこないわたしを不自然に思ったのか、悝世がこちらに近づいて。
「……びしょ濡れじゃん。
早く着替えないと風邪ひくよ」
腕をつかまれて、そのままリビングに連れていかれる。
そしてすぐに悝世がタオルを取ってきてくれて、頭にバサッと被せられて。
「あ、ありが……きゃっ」
お礼を言ってる途中だったのに。
「……ほんと依茉って危機感ないよね」
「へ……っ?」
背後にフッと悝世の気配。
真後ろから耳元に悝世の声がよく聞こえて。
「……自分が今どんな格好なのか自覚してんの?」