芸能人の幼なじみと、内緒のキスしちゃいました。
顔をひょこっと覗き込んできて、でもけっして距離はそんなに近くはなくて。
「……ってか、ネクタイめんどーだからしなくてもいーよね」
「だ、ダメだよ。
生徒指導の先生に怒られちゃうよ」
悝世は前みたいにわたしに触れたりすることがなくなった。
一緒にわたしの部屋で生活することも、ほんとになにひとつ変わっていないはずなのに。
甘えたな悝世はいなくなった。
前は隙があればいつだってくっついたまま離れてくれなくて、わがままで甘えたがりで。
それが今ではパタリとなくなって。
「ガッコーもスタジオも飛んでいってくれたらいーのに」
「そんな不謹慎なこと言っちゃダメだよ」
これが本来の幼なじみとしての接し方なのかもしれないのに。
「……まあ、もうすぐ大事な撮影があるとか田城が言ってたから休んだら殺されそーだけど」