芸能人の幼なじみと、内緒のキスしちゃいました。
「……あのさ、いっこ聞いていい?」
「な、なに……?」
少しの沈黙のあと。
「2人ってほんとにただの幼なじみ?」
ほんとならここですぐに「そうだよ」って言えたらいいのに。
ううん、実際はたから見れば"ただの幼なじみ"で、それ以上の関係はないのに。
頭の中はグルグル。
胸の中はモヤモヤ。
「何も言えない……か」
すると、ベンチの上に置いていた手の上に瑠衣くんが自分の手を重ねてきた。
強引じゃなくて、優しく包み込むように。
「……やっぱり依茉ちゃんの中では悝世がいちばんで、特別?」
そのまま肩を抱き寄せられて、あっという間に瑠衣くんの腕の中。
こ、これっていったい……。
「え、あっ……るい、くん……?」
「……悝世なんかやめて俺を選んでくれたらいいのに」