芸能人の幼なじみと、内緒のキスしちゃいました。
「やめ……て……っ」
震えた弱々しい消えそうな声。
ついに限界で、視界が涙でいっぱい。
瞳からこぼれた涙が目尻から流れ落ちていく。
それに気づいた悝世が
スッと唇を離した。
そのまま悝世の指先が目元に近づいてきて、涙を拭ってくれる。
あふれてくる涙のせいで視界がクリアにならない。
もう何もかもがついていけない、キャパオーバーどころじゃない、パンクしそうなくらい。
それにさらに追い討ちをかけるように。
「……俺より瑠衣のほうがよくなった?」
「なん……で」
「……保健室」
そのワードを聞いて、嫌でも今日の瑠衣くんとの出来事が思い浮かぶ。
「……瑠衣とベッドで抱き合ってるところ、窓から見えてた」
「っ……」
「それに……少し前に瑠衣と2人で出かけたことも知ってる。帰ってきた依茉から瑠衣の香水の匂いしたから」