芸能人の幼なじみと、内緒のキスしちゃいました。
「そっかー。てっきり依茉ちゃんに振られて落ち込んでるのかと思ったよ」
「え?いやいや、そもそも悝世はわたしのことなんて……」
否定したら、田城さんが目を見開いてびっくりしてる。
いや、キミなに言ってんの?って顔してる。
「はぁ、そっかそっか。んじゃ、依茉ちゃんに面白い話を聞かせてあげよっか」
「面白い話…ですか?」
「そうそう。悝世がモデルを始めたきっかけ」
きっかけ……って。
田城さんがスカウトして悝世がそれを受けたっていうだけじゃ。
「依茉ちゃんは知らないでしょ?悝世に言うなって口止めされてるけど、せっかくだから教えちゃおうか」
そう言って、田城さんが少し昔の話を始めた。
話は遡ること悝世が中学2年生のとき。
「その当時の悝世はさ、スカウトの声かけても見事に興味なさそうでさ。30分くらいモデルの世界の魅力とか伝えてもまったく関心ゼロで」