芸能人の幼なじみと、内緒のキスしちゃいました。
真正面からするの…?
いつも悝世がしてくれるのを思い出そうとするけど。
だいたい目を閉じちゃってるし、それにドキドキしてるからそんなのいちいち覚えてないし。
でも、たしかいつも少しだけ顔が傾いてたような気がしなくもない。
ということは、ちょっと傾けちゃえばいいのかな。
むむむ……考えれば考えるほどわからない……!
「ねぇ、依茉ちゃん。放置プレイ愉しまないでくれる?」
「へ……っ?」
「いつまで目閉じて待たせんの」
「ぅ、あ……えっと、角度……とか」
「……角度?」
「な、なんでもない!
するから、早く目ちゃんと閉じて……っ!」
悝世の肩に両手を置いて。
早くしちゃえばいいんだ……!
もうこのさい、へたっぴでも許してほしい。
スローモーションみたいに、悝世の顔に近づいて、ギュッと目をつぶって。
うまく触れるように、そっと唇を重ねた。