芸能人の幼なじみと、内緒のキスしちゃいました。



「あ、ええええっと、これは……っ」


どうしようどうしよう、見られたくなかったのに。


まだ言い訳を考えてなくて、喋りかけてる途中だったのに。



「……へっ?」


グイッと強引に腕を引かれて、なんでか抱きしめられちゃった。



わたしが間抜けな声を出してる間に、周りにいた子たちからは「きゃー!!!!!」という悲鳴が教室中に響き渡って。



「……何がフツーの喫茶店だって?」


「う、や……っ、これには事情がいろいろ」



「……ふーん。じゃあ、今からその事情ってやつ2人っきりになれる場所で説明してもらおーか」



周りの視線や騒ぎ声なんてぜんぶ無視して、わたしを教室から連れ出そうとする。


あぁ、わたしどうなっちゃうの。


このまま連れ出されたら、間違いなく午前中は戻って来れなくなっちゃう。



そう思った直後。


「待ちなよ」

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