芸能人の幼なじみと、内緒のキスしちゃいました。



キスが少し止まったと思ったら、悝世が笑ったままわたしの両手首をつかんだ。


「へ……っ?」


つかんだまま、両手首をくっつけて合わせられて。

目の前で手首に巻かれる……黒のネクタイ。


器用にささっと簡単に巻かれて。
でも、ちょっとの力じゃ全然ほどけない。



「うわ……想像してたよりいいかも。たまんないね」


「や、やだよ、これほどいて……っ」



「それは無理なお願いだね。
しばらくこのまま縛ってよーか」



やだやだ、なんで愉しそうなの……!

人のこと縛って、こんな愉しそうな顔してるのおかしいよ……!



「うぅ、悝世ってぜったい変な趣味もってそう」


「心外だね。依茉のこと可愛がるくらいだよ、俺の趣味」


ちょっと犯罪チックに聞こえるもん。



「普通の人はこんなふうに縛ったりしない……もん」


「俺が異常だって言いたいの?」


うわ……めちゃくちゃ笑顔が黒い……!

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