芸能人の幼なじみと、内緒のキスしちゃいました。
寝室の扉がガチャリと開いて━━━━悝世の声がした。
う、うそ。
なんでこのタイミングで帰ってきちゃうの…?
とっさに起き上がるのをやめて、再びベッドに身体を倒す。
「……もう寝てるの?」
声がさっきより近づいてきてる。
どうしよう、近くにこられたら泣いてたのがバレちゃう。
寝たふりは無理そうだから。
「ね、寝てる……っ。気分、悪いから」
テキトーな言いわけ。
なんでかまた泣きそうになっちゃって、声がわずかに震えてしまった。
でもどうせ、わたしのことなんてもう興味なくてどうでもいいだろうから「ふーん、そっか」で終わらせられるかと思ったのに。
「……どーしたの、依茉ちゃん」
ギシッとベッドがきしむ音がして、すぐに後ろからだいすきな温もりに包み込まれた。