芸能人の幼なじみと、内緒のキスしちゃいました。



すると、そんな会話をしていたら。


「神崎悝世くん入りまーす!!!」


スタッフさんのそんな声が聞こえてドキリとした。



うわ、どうしよう。

いつもの悝世と違う。


ずっとずっと大人っぽい。


雰囲気を変えて前髪を上げて、シャツがはだけてものすごく色っぽい。



えっ、えっ、レベルが高すぎて、せっかくメイクしてもらったのに差が激しくて……!



今すぐここから逃げ出したい……っ!

なんならいつもの悝世みたいにスタジオが吹っ飛んでくれたらいいのに…とかよからぬことを考えてしまう。



「……依茉?なんで下向いてるの」


「ぅ、あ……うっ……」


下から顔を覗き込まれて、びっくりした拍子に変な言葉を発してばかり。



「……うわ、めちゃくちゃかわいーじゃん」


「やっ、恥ずかしい……っ」


自分の格好を見られるの無理だし、何より普段見慣れない悝世を目の前にして心臓のドキドキは最高潮。

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