芸能人の幼なじみと、内緒のキスしちゃいました。



「……こっち向いて?」


「ぅ、向けない……っ。恥ずかしくてドキドキしてしんじゃう……っ」


まだ撮影は始まってないのに、悝世がふっと笑ってわたしの両頬を包み込んで顔を上げさせた。



「……いつもより大人っぽいじゃん。普段の依茉も可愛らしくてすきだけど、こっちの大人っぽい依茉も可愛いし、誰にも見せたくないね」


「ぅ、ぅ……」


さっきからうなってばっかり。
日本語をちゃんと喋りなさいって。



「2人ともすごく雰囲気いいねー!このまま撮影始めちゃうね〜!」


えっ、えっ、そんないきなり!?
パシャッとシャッターが何枚も切られる音がする。



「……どーしよっか。こんなにかわいー依茉をいろんなやつに見られるのやだね」


シャッターが切られる中、悝世が余裕そうに話しながら触れてくる。



頬を優しく撫でたり、顔を近づけたり。


わたしは何もできないまま、ぜんぶ悝世にされるがまま。

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