芸能人の幼なじみと、内緒のキスしちゃいました。



"依茉ちゃん"なんて、わざとそんな呼び方して。


わざとだってわかってるのに、心臓がギュウッていちいち縮まるから。



「うぅ……悝世のバカ……っ」


結局、大人しく悝世の腕の中におさまっちゃう自分はすごく単純。



「とか言って、
俺に抱きしめられるの何気に好きでしょ?」



うっ……ぜんぶお見通し。


悝世に触れられて抱きしめられたらドキドキして身がもたないけど……嫌いじゃない。



「ねー、ちゃんと答えてよ」


「う……っ」


「俺は好きだよ」


「っ、」



もうやだ。
悝世の不意打ちのストレートの好きはずるいどころじゃない。



「えーま」


「ひゃっ……やだ、どこ触って……っ」



耳元でわざとらしく小声で名前を呼んで。

腰にある手がゆっくり動いて身体を撫でて。

反対の手が顎に触れて簡単にクイッとあげられた。

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