芸能人の幼なじみと、内緒のキスしちゃいました。
ダメって意味を込めて首をフルフル横に振る。
こんなのおかしいもん……っ。
幼なじみなのに、幼なじみらしくない。
「なんで、そんなイジワルするの……っ」
「依茉が悪いんだよ。俺のこと見てないから」
「み、見てたよ、ちゃんと」
「嘘つき。……嘘ついたから外すね」
パチンッと音がして、
一瞬で胸の締め付けが緩んだ。
とっさに肩に力を入れて、両腕を胸の前でクロス。
「う、嘘なんかついてない……っ。
悝世しか見てなかったのに」
「瑠衣と仲良さそーにしてたくせに」
「へ……?」
急に出てきた瑠衣くんの名前。
もしかして、悝世が機嫌悪くて暴走してるのは瑠衣くんが原因だったり…?
「何あれ。なんで瑠衣に抱きしめられて平気な顔してんの」
「え、別に平気な顔してたわけじゃ……」
「依茉から瑠衣の匂いするから無理、死にそう」