芸能人の幼なじみと、内緒のキスしちゃいました。
「り…せ?」
「ん?」
「お、怒ってない、の……?」
「なんで?」
「だ、だって、1人で勝手に帰っちゃって、荷物もぜんぶ押し付けちゃって……」
てっきり、依茉のせいで疲れたとか、1人で帰るとかイミフメーとか言われるかと思ったのに。
「……べつに怒ってないよ。
ただ、いきなりいなくなるのはやめて。依茉に何かあったんじゃないかって心配になるから」
こういうとき、普段のわがままな悝世はどこにもいなくなる。
きちんとわたしを受け止めてくれて、怒らないし優しさを見せるから。
だから、嫌いになれない。
どんどんこうやって好きがふえていく。
「ぅ……ごめんなさい」
「いーよ。でも無視はダメだよ依茉ちゃん」
「む、無視してないもん……」
「電話切ったくせによく言うよ」