芸能人の幼なじみと、内緒のキスしちゃいました。
「だ、だって……」
「だって?」
「ぅ……なんでも、ない」
やだな、言いたくない。
ファンの子に囲まれてる姿を見て、それが嫌になって逃げ出したなんて。
「ちゃんと言って。
俺そーやってごまかされるのやだ」
抱きしめる力を緩めて、綺麗な瞳がしっかりわたしをとらえて逃してくれない。
うまく瞳が見れなくて、控えめに少し引いて悝世を見つめたら。
「ねぇ……気づいてんの?
その上目遣いものすごくずるいよ?」
「へ……っ?」
「ほんとさ、
依茉ってなんでそんなかわいーの?」
大きな手のひらが頬を包み込んで、優しい手つきで撫でてくる。
「か、可愛くない……もん」
「俺の目が節穴だって言いたいの?」
「そ、そんなこと言ってるわけじゃないよ」
「俺がかわいーって言うんだから認めなよ」